湯川寺の三十三観音



  函館駅前から市電に乗って終点「湯の川」下車、進行方向に進み 左折する道路もありますが直進し、湯倉神社を左に見て歩くとすぐ左側に湯川寺があります。
そこには、「元函館山、安置の(天保3年〜明治33年)西国移土三十三観音像遷座所」と看板があり、境内に入ると左側の塀に1番から順に観音像が立ち並んでいます。

 観音像の説明看板をそのまま転記してみました。

 西国移土三十三観音縁起
   この観音像は天保三年(1832)起工、天保五年に完成し箱舘山に西国三十三所の各霊場より 土砂を運び、それを各番所の観音台座の下に埋めて配置されたものなり。
   発 願  称名寺十三世巌碩上人・十四世実含上人
   起 工  称名寺十五世霊含上人
   建 立  蛯子長兵衛・常野(石田)興兵衛
   協 力  高田屋金兵衛

 然るに明治三十二年箱(函)館山は陸軍の要塞と指定され山裾に集結の止むなきに至る。
 その後大正三年四月湯川村周辺に遷座(移転)され湯川寺管理供養のもとに毎年春秋巡拝供養し来たりしが 時代の変遷(住宅・道路新設)により昭和五十年五月当境内に集結されたものなり。

 石像について
   四国阿波の花崗岩を刻み高田屋の雇船で運んだものである、尊像背面に「大阪大津屋栄徳新 造積下り」銘が刻まれているのが特色である。
 但し、一、三、六、七、十二、十五、二十九、三十三番には銘がなく、新たにつくられたものである。
                  湯川霊場保存者 湯川寺一世定全上人・二世定戒上人
                                           三世 戒 蔵 記



           函館山の三十三観音